山田さんに教わる小谷の冬仕事 「一本ゾリ」と「酒造り」


小谷村の魅力といえばみなさまは何を思い浮かべますか?

美しくも厳しいダイナミックな自然環境、日本の原風景が残る山村風景、各集落や地域ごとに存在する祭りなどの文化…どれをとっても素晴らしい小谷村の宝です。でも何より、それらと共存し、生み出し、育み、維持し、現代に繋いできた、ここで暮らす「人」の魅力もまた素晴らしい!

ということで、そんな地域の「人」に焦点を当て、密着し、地域の文化やその方の暮らし・生き方を教えていただく「世界でたったひとつ」の体験ツアーを開催しま~す!!

そんな構想を抱いたのは昨年の9月のこと…

近所に住む山田さんにホオの巨木の木運びを頼まれ裏山へ案内してもらう。人家の裏からきれいにひかれた山道。所有する山林では、沢から水を引いたり、木を切って薪にしたり、きのこを育てたり、里山を上手に活用していることがひと目でわかる。道路から眺めていてもこんな世界が裏山に広がっているなんて想像もつかなかず激しく感動!そんな山田さんから、「春先になったら、このホウの木を雪の上を滑らせて運び出す体験を企画してみないかね?」とご提案いただく。

→「それってもしかしてできる人がもうほとんどいない一本ゾリでですか?山田さんそんなこともできたんですか⁉︎てっきり酒造りを専門で仕事していたと思ってましたよ。」と私。→「いやいや、ここら辺の衆は時期に合わせて仕事も変えたもんでね。特に冬は雪で畑もできないから、一本ゾリで山から木出しをするのは当たり前だったな。」と山田さん。いったい山田さん何者⁉︎このたくましさと、幾度となく自然学校の活動に協力してくださる優しさ…もう大好き!!地域にはこんな素晴らしい人がたくさんいることをたくさんの方に知ってほしい!!

という流れで今回の企画は誕生しました★

そして、今回密着するのは中谷地区にお住いの「山田和男(やまだかずお)」さんです!

山田さんに密着して教えていただくのは、かつて小谷に暮らす男性の主な冬仕事だった 「林業」「酒造り」です。

まずは今回行う「林業」について説明させていただきます。

「冬に林業ってできるの?」と思われる方も当然多いと思いますが、実は!冬の方が都合のよいこともあるんです!

それは、木を林内から「搬出」する時です。草や低木が生い茂る冬以外の時期は、切り出した木を搬出するには、重機で作業路を作らなければなりません。しかし、雪に覆われる冬にはそうした障害物が雪の中にすっぽり埋まり、雪の上を滑らせれば木を運び出すことができちゃうんです!

そんなことを可能にする道具が「一本ゾリ」という手押しのソリです。

冬の林業で使われる手押しのソリは国内でも雪が多く山深い地域で生れた道具で、石川県、岐阜県の一部の地域でも見られます。しかし、一本ゾリと呼ばれるソリは小谷村及び周辺地域にしかないそうで、本当に貴重な文化であるといえます。村内でもこの道具を使いこなせる人はもうわずかとなっていますが、今回はその貴重な1人である山田和男さんに使い方を教えていただきます。