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小谷村の冬の伝統行事『塞ノ神(さいのかみ)祭』を紐解く!




塞の神祭とは?】

「塞ノ神祭」とは小正月に行われる火祭りの行事です。

その呼び方は地域によって様々で、「道祖神祭」「三九郎」「左義長」「どんど焼き」などがあります。

お正月の間飾っていた松飾りや注連(しめ縄)飾り・書初めなどを、神社の境内や広場、畑に持ち寄って尾焚き上げする(燃やす)行事のことです。

集落の人々の1年間の災いを払い、豊作や商売繁盛、家内安全、無病息災、子孫繁栄を願う伝統行事です。お正月に門松やしめ飾りで出迎えた神様を、燃やす炎とともに見送るという「送り火」の意味合いもあるようです。



塞ノ神祭の起源

その昔、村境にあった倉堀の川に木偶(でく)人形が流れ着き、祟りを恐れた村人が木偶人形を焼き無病息災を願いこの地に塞ノ神を祀ったのがはじまりといわれるほか、

この地区でコレラが江戸時代に流行った際、川から流れ着いた木偶人形を燃やしたところコレラの流行が収まったことから毎年続けられてきたなど、起源については諸説あります。



『塞ノ神祭』はいつ開催される?

塞ノ神祭は通常小正月(1月15日)頃に行われる行事です。

旧暦では1月15日は新年最初の満月の日なので、満月と火の力で1年間の災いを払います。

地域によっては節分の時期に行われるところもあります。

最近は1月15日が平日だと開催が難しいため、お正月が明けて少し落ち着いた土日に開催する地域も多くあります。

ひじくらアッチのある小谷村・土倉地区は今年1月9日に行われ、ひじくらアッチにお泊りのお客様も塞ノ神祭にご参加いただきました。



塞ノ神祭の意味は?

塞ノ神祭の目的は集落の人々の1年間の災いを払い、豊作や商売繁盛、家内安全、無病息災、子孫繁栄を願う意味があります。

なお、正月に飾った門松やしめ飾りなどの縁起物を燃やす風習があり、塞ノ神祭の炎によってけがれを清め、高く上る煙に乗って正月の神様を天に還すという意味合いもあります。



塞ノ神祭の呼び方は地域によって違う

塞ノ神祭は地域によって呼び方が異なります。

長野県や山梨県は道祖神が多いので、これらと絡めて道祖神祭と呼ばれてきた地域もあります。

  • 近畿北陸周辺:「左義長」

  • 東北:「どんと焼き」

  • 関西:「とんど焼き」

  • 長野県・山梨県:「道祖神祭」「どんど焼き」

  • 長野県松本市周辺:「三九郎」

  • 九州:「鬼火たき」

  • 静岡県:「さいと焼き」

  • 沖縄」「ドンド焼き」

長野県池田町では「三九郎」といいます。由来は「道祖神祭を統括する神主 福間三九郎の名前にちなんだ」「凶作・重税・疫病の3つの苦労=三九郎を払うため」など諸説あります。




塞ノ神祭では主にどんなことをする?

塞ノ神祭では、正月に飾ったしめ飾りや門松などの縁起物、書初めやお守りなどを、藁や竹で組んだ櫓と一緒に焚き上げ、燃える火が落ち着いてきたら色々なものを焼いて食べる風習があります。

場所によってはダルマやみかん、鏡餅などを焼くところもあるそうです。

ひじくらアッチのある小谷村では正月飾りを各家庭持ち寄り焚き上げ、「まゆだま」という一口サイズの米粉で作ったカラフルなお団子を木の枝に刺して焼いて食べたり、心付けとしてお菓子やミカン、紙に包んだ硬貨などを地区の親方やその年の年男、年女が投げ振舞います。

この焼いたまゆだまを食べるとご利益があるとされています。

※まゆ玉とは柳などの枝に繭形にまるめた餅・団子などをたくさんつけた小正月の飾り物であり食べ物です。中部地方から関東、東北にみられ、もともとは養蚕の安全を祈って小正月に飾られていました。






塞ノ神祭の今後

地域の高齢化や過疎化によって塞ノ神祭の担い手が少なくなり、段々と衰退してきている地域も増えてきているようです。

しかし近年、この塞ノ神祭を他の地域から来るお客様にも体験をしてもらおうという取り組みが行われています。

この体験をきっかけに新たな移住者や塞ノ神祭の担い手の確保が期待されます。

まだ体験したことのない方は、是非ご参加してみてはいかがでしょうか?



 

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